「加賀れんこんのすり流し汁」という料理をご存知ですか?
石川県を代表する加賀野菜の一つである「加賀れんこん」をふんだんに使った郷土料理です。
すりおろしたれんこんに優しいお出汁を加えた汁もの料理です。
本記事では、誰でも作れる「加賀れんこんのすり流し汁」のレシピをご紹介しています!
作るのは難しそうな加賀れんこんのすり流し汁ですが、実は簡単に作ることができるみたいです!わかりやすく解説していきますので一緒に見ていきましょう!
加賀れんこんとは

歴史と産地
「加賀れんこん」は藩政時代から栽培が続いている歴史の深い野菜の一種です。五代目加賀藩主の前田綱紀は美濃国(岐阜県)から持ち帰った種を城の内堀に植えて観賞用としてれんこんの花を育てていたという話が残っています。
その後、金沢市の大樋町(小坂地区)一帯で栽培されるようになりました。「大樋蓮根」と呼ばれ、加賀の名産として広く栽培されるようになり、明治中期まで栽培が続いたとされています。
次第に味の良さが評判になり明治後期~大正にかけて、加賀れんこん農業は盛んになりました。「れんこん御殿」を建てた農家も多くいたそうです。

現在では、金沢市・かほく市・津幡町などの河北潟干拓地が主な産地になっとるよ!
特徴
加賀れんこんと一般的なれんこんとの違いは、節間が短くなっている点で、特に先端の二節が美味しいのが特徴的です。肉厚で歯ごたえが良く、でんぷん質が多いため粘りが強く「餅れんこん」という別名もあります。
加賀れんこんのすり流し汁のレシピとは


まずは加賀れんこんのすり流し汁のレシピです!
〈4人分量〉
材料 | 量 |
---|---|
加賀れんこん | 180g |
合わせだし(かつお・昆布) | 800ml(4カップ) |
白みそ | 20g(大さじ1強) |
こうじ味噌 | 20g(大さじ1強) |
みつば | 少量 |
ゆずの皮 | 少量 |
準備する道具
- 鍋
- 包丁・まな板
- ピーラー
- おろし金(おすすめあり)
- ボウル(大)水さらし用
- 計量スプーン
- 計量カップ


栄養量と効能
栄養素 | 量 |
---|---|
カロリー(エネルギー) | 55kcal |
たんぱく質 | 2.2g |
塩分量(1日あたり6.5~7.5g未満) | 1.1g |
ビタミンC(1日あたり100mg) | 23mg |
れんこんに多く含まれる「ビタミンC」をピックアップ!
- 別名「アスコルビン酸」とも呼ばれている
- 水溶性ビタミンなので水にさらしすぎると減ってしまう
- コラーゲンをつくるのに不可欠で、皮膚や粘膜の健康維持に必要
- ストレスへの抵抗力を強める、鉄の吸収を良くする
- 抗酸化作用があるため、有害な活性酸素から体を防衛する働きがある
加賀れんこんのすり流し汁の簡単な作り方
加賀れんこんのすり流し汁を作るのはすごく大変なイメージを持たれている方は多いと思います。



そやけど!!コツさえ覚えてしまえば簡単に作ることができる!
では、ポイントも作り方と一緒に解説していますので見ていきましょう!
簡単な作り方
加賀れんこんのすり流し汁の作り方を解説していきます。
下準備① れんこんはピーラーで皮を剥き、浸るくらいの水に1〜2分ほどさらしてから水気を切る
下準備② みつばは細かく刻み、ゆず皮は千切りにしておく
れんこんを擦り下ろす(粗さはお好みでどうぞ)
鍋に入れて火にかけ、沸騰する前に弱火にして①の擦ったれんこんを合わせる
しばらく混ぜながら、とろみが出たら白みそとこうじ味噌を加える
味噌を混ぜたら沸騰させないように加熱し、味見をして味を整える
火を止めて碗に盛り付け、みつばとゆずの皮を添える



加賀れんこんのすり流し汁は、とてもやさしい口当たりで出汁の味が際立ち和食の美味しさを感じられる一品です。
個人的にとても気に入ってる料理で、特に冬場は心身が温まるのでオススメです♪
加賀れんこんのすり流し汁の失敗原因と対処法


れんこんを使った料理は色々ありますが、れんこんについての失敗原因と対処法を紹介します。
今後、れんこん料理をする際には参考にしてくださいね♪
色味が悪くなった
れんこんが変色する原因は主に「空気に触れる・鉄分・腐敗」の3点です。
原因1〈空気に触れる〉
れんこんはポリフェノールの一種である「タンニン」を含んでいます。これがいわゆるアクです。
空気に触れる(酸化)ことで茶色く変色します。
対処法1〈酢やレモン汁を入れた水に浸す〉
切ったらすぐに水にさらして、白く仕上げたい場合は酢やレモン汁を入れた水にさらします。
原因2〈鉄分〉
原因1で紹介したタンニンが鉄分と反応することでタンニン鉄となり、黒っぽくなる原因です。
対処法〈調理器具を工夫する〉
研ぎたての包丁や鉄製の鍋、鉄分を多く含む水などを避けましょう。
調理器具はステンレスやアルミ、ホーロー等の素材のものにすることで防げます。



もしも黒う変色しても、食べるのには問題ないさかい安心しまっし♪
原因3〈腐敗〉
れんこんは鮮度が落ちやすく足の速い食材の一つです。
対処法〈確認と保存方法〉
酸っぱい臭いがする、穴内部まで黒く変色している、ヌメヌメとした触感がある場合は腐敗しています。
〈保存方法参考〉
- 泥つきのものは湿らせた新聞紙やビニール袋に入れて冷蔵庫へ(10~2週間は持つ)
- カットしたものは水に浸けて毎日水を変える(3~4日は持つ)
- 干しれんこんにすれば1ヶ月持つ
食感が違う
れんこんはでんぷん質が多いですが、繊維も多く含む野菜です。
ですので、切り方によって食感が異なります。調理方法によって合う・合わない切り方があります。





れんこん料理は色んな種類があるで、ほの(その)料理に合うた切り方をマスターしてたいま(ください)♪
加賀れんこんのすり流し汁の材料の代用








ごぼう
ごぼうもれんこんと同じく繊維質が多い野菜です。特に新ごぼうで代用すると香りも良いですよ♪
代用する際は、ごぼう大2本とだし汁400mlに豆乳200mlを加えることでまろやかさやとろみ感が増します。
コンソメ
合わせ出汁をコンソメで代用することで洋風に仕立てられます。コンソメは固形(キューブ)1個5gに対して水300mlが目安です。
今回のレシピは、だし汁が800mlなのでコンソメだと水800mlに対し約13gということになります。
すだち・かぼす・青レモン
香りや季節感を料理に演出するゆずの皮は、すだちやかぼす、青レモンでも代用できます。
アレンジレシピ





加賀れんこんを使うたアレンジ料理を紹介するよ♪



どれも美味しそう。加賀れんこんの料理は色々あるがね!
厚揚げとともに
〈4人分材料〉
材料 | 量 |
---|---|
加賀れんこん | 180g |
合わせだし(かつお・昆布) | 800ml(4カップ) |
赤みそ | 40g(大さじ2強) |
厚揚げ | 160g(約1/2枚) |
青ねぎ | 適量 |
〈作り方〉
- れんこんは2/3はすりおろし、残りはみじん切りにする
- 厚揚げは湯をかけて油抜きし、適当な大きさにちぎる(切ってもOK)
- 鍋に出汁とれんこん・厚揚げを入れて火にかけ、煮立ったら弱火にして味噌を溶かす
- 沸騰させないように煮立たせたら火を止めて碗に盛る
- ねぎを散らして完成
〈ポイント〉
- れんこんの食感を残しているので歯ごたえもある
- 味噌を入れた後、ひどく煮立たせてしまうと風味が失われてしまうので注意
- きのこ類や他の根菜など具材は好きなものを入れてオリジナルすり流し汁を作れる
オフホワイトなすり流し汁



オフホワイトな?すり流し汁って何や??想像つかん!
〈4人分材料〉
材料 | 量 |
---|---|
加賀れんこん | 180g |
野菜コンソメ | 5g(キューブ1個) |
水 | 300ml |
豆乳(無調整) | 500ml |
白みそ | 40g(大さじ2強) |
パセリ | 少量 |
〈作り方〉
- れんこんをすりおろし、豆乳は常温に戻しておく
- 鍋にコンソメと水、1のれんこんを入れて火にかけ、煮立ったら弱火にして味噌を溶かす
- 豆乳を加え沸騰させないように混ぜながら加熱する
- 火を止めて器に盛って、刻んだパセリを散らせば完成
〈ポイント〉
- れんこんは少し残して刻んだものを入れてもOK
- 豆乳は加熱しすぎると分離してザラザラ食感になるため注意する
- 味噌は白みそでなくても良いが、仕上がりの色が変わる
加賀れんこんの「はす蒸し」
すり流し汁と同じように石川県では馴染みのある料理の一つです。
昔はおもてなし料理として、また正月などハレの日にはよく出されていた料理と言われています。
れんこんは穴が開いていて「見通しが良い」と言われることから縁起の良い野菜の一つですもんね♪
まとめ
加賀れんこんのすり流し汁のレシピの紹介はいかがだったでしょうか?
歴史ある加賀野菜の一つであり、地元に根付いている伝統的な料理はこれからも大切にしてきたいですね!
それでは加賀れんこんのすり流し汁のまとめです。
- 加賀れんこんは、でんぷん質を多く含むためもっちりで「餅れんこん」とも呼ばれる
- れんこんの変色防止は、水か酢またはレモン汁を入れた水にさらしておく
- 鉄製の調理器具を使うとタンニン鉄により黒っぽくなるので注意
- 状態によって保存方法が異なり、保存できる期間も変わってくる
- 料理によってさまざまな切り方がある
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